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昭和の歌本 楽曲レビュー集

月刊明星・月刊平凡の付録歌本の楽曲レビューを振り返るブログです。

もんた&ブラザーズ セカンドアルバム「Half & Half」(明星 YOUNG SONG 1981年4月 今月のスペシャル3)

http://www.cdjournal.com/image/jacket/large/11941/1194120604.jpg

■レビュー紹介

もんた&ブラザーズ セカンドアルバム「Half&Half」 1. エンドレス・ドリーム 2. Nobody Knows 3. Try…Say Good-bye 4. I Want You 5. 赤いアンブレラ 6. もう一度 7. ウィンド&レイニーディ 8. PIANO MAN 9. Sweet Moon Light Waltz 10. Midnight Airport

さまざまなバリエーションが楽しい

ダンシング・オールナイト』のミリオン・セラー、「Act1」のアルバム・チャート制覇。シングル第2弾で、思い切ってスロー・バラードの『赤いアンブレラ』を発表するなど、自分たちの信じる路線を突っ走り、みごとにレコード・セールスでも実績の光るもんた&ブラザーズ

ウインド&レイニーデイ』を収めたこのアルバムは、さらに彼らの持ち味を生かした作品集だ。「R&B、フォーク、R&Rなど、いろんなジャンルを一周して、やっといまの自分が確認できた」と言うもんたの言葉どおり、貪欲な彼の吸収力が、それぞれの作品から感じとれる。ロック、ラグタイム・ブルース、バラードと、さまざまなバリエーションに富んだものに仕上がっており、小細工せずに歌いあげるハスキー・ボイスが、ダイレクトに伝わってくる。

〔フォノグラム 28PL-1 ¥2,800 3月5日発売〕

 

俺の音楽、若いコの“光”になってくれたらええなァ。

もんたよしのり。昨年、彗星のように現われたこの“遅れてきた”ロッカーは、どんな音楽をめざしているのだろうか。レコーディングも終わったある日、彼はその心のうちを、静かだが思いきり語ってくれた。

こんどは肩の力を抜いてつくった

──こんどのアルバムは、1枚目の『Act1』とくらべると、より“ライブ・バンド”のよさを全面に押し出そうとしているようだけど?

あまり細工やつくりごとをせんと、“生身の音”をストレートに、バン!と吐き出していきたかったんや。だから、今度も一発録りの曲がすごい多い。「セーノ!」で録って、それで出来あがりという曲もあるのや。なんか“音の命”みたいなものを出したい、ゆう思いが、そういう録り方になったと思う。細かいところを、あれこれチェックするよか、全体の流れが生きとったら、それでええ。それが偶然で、結果はどうであれ、そうなったんやから、それでええねん。ただ、ファースト・アルバムは、聴いとって、どこか肩に力が入っとる感じやったけど、その意味では、今回のほうが肩の力が抜けとるね。

(注=一発録りとは、すべての楽器を同時にいちどで録音すること。現在、ふつうの場合は、ほとんどが多重録音になっている)

──このアルバムでは、選曲はどんなふうにして行なわれたの?

去年の暮れに13曲のデモ・テープを作り、それに『赤いアンブレラ』の別テイクを加えた14曲からピックアップしたんや。ただ、3枚目のシングル『ウインド&レイニーデイ』をこのアルバムに加えるかどうか、なかなか決断することができへんかったんや。

──『赤いアンブレラ』は、ボサノバ風の軽いリズムで、シングルとはずいぶん変わった感じになってるね。

このアレンジも、オレは好きやねん。出来あがったときは、そんなに強烈な印象はなかったけど、あらためて聴いてみると、すごい衝撃があったんやね。それで、今度のアルバムの構成を練っていた昨年の11月ごろ、完璧なテイクが取れて、入れることに決めたわけや。

─アルバムに先がけて、3枚目のシングル『ウインド&レイニイデイ』(原文ママ)が出たんだけど、この曲をとくにシングルに選んだのは?

ウーン。実は『Endless Dream』にするか、ものすごう悩んだんや。それと『ウインド&レイニーデイ』は詩が2種類あって、そのどっちを使うか。この2つのことで、ほんまに悩んだ。サイコロを振ったろか思うたぐらいやったよ。(笑)シングルの場合、ある程度、シングルという目で考えなあかんからね。オレら、売れるか売れへんかわからへんだけに、よけいに迷ってしもうたんや。

──いま話に出た『Endless Dream』は、もんた自身が作詩した曲として、初めてアルバムに入ったわけだけど、すごい重みがあって、何か時代の悲歌(エレジー)といった感じがするんだけど……?

そう、これはオレん中の確実なる実感やな。それとやっぱ、ひとつの時代が終わっていくさまを通過した人間が書ける、感じられる詩やと思う。オレ自身もすごい好きや。だからオレ自身の悲歌であると同時に、時代の悲歌でもあるんや。いつの時代でも、若いもんは壁に突き当たる。それを乗り越えていかなあかん。その壁に直面した思いみたいなもんを、詩にしたつもりでおるんやけどね。この中の“終わりのない熱い炎”いう一節は、誰でも持ってる夢であり、希望であるわけやねんけど、いろんな状況の中で、消えてしまう人もあるのやろなあ。そういう意味で、どんな時代にも通じる詩であって欲しいと思うとるんや。こういう曲、オレにとっても重い意味を持つね。

若いから激しく、苦しいんや思うね

──もんたの目から見て、今の若い人たちをどう思う?

いつの時代かて、若いもんは同じや。形とか状況は変わったかて、若いもんの気持ち、屈折のしかた、“あがき”というようなもんは、変わらへん。若いから楽しいのやなくて、若いから楽しく、苦しいんやと思うな。この詩でも、そういうもんをうたいあげたかった。オレをふくめて、若いもんが自由に好き勝手に生きれたら、幸せやろうなと思うけど、その自由はどんな状況の中でも人に何かを求めず、自立してやっていくところから生まれると思うんや。オレ自身、そういうものを、かちとれる人間になりたいと思うし、オレの音楽が若いコたちにとって“光”になってくれたらええなあと思うとるねん。

──ところで、もんたはどんな曲の作り方をしてるの?

アパートの部屋で作ることが多いね。まずメロディーがひらめくんや。それで、ギターを弾きながら形を作っていく。それからカセットに録るんや。メチャクチャ英語でうたいながらね。で、そのテープを作詩家にわたすという段取りや。

──こんどのアルバムでは、もんた以外は全員、女性の作詩になってるけど……?

男性の作詞家にも頼んだのやけど、結果がそうなったんやね。オレんとこは、あがり次第や。できた詩をパーッと並べて、まず字面でカットするやろ。それから、うたってみて、ノレるか、ノレへんかでわけていく。そいでまあ、最終的には女性のもんだけが残ったわけ。これはまるで偶然やね。

──もんたのほうから、作詩家に注文つけるようなことはなかった?

今回はあえて、こうやってくれ、ああやってくれとは言わなかったな。その曲が、かもしだしている空気いうのんを、その人がどう感じるか、その感じたことを書いてください言うてね。そやけど、できればこの次からは、オレ自身の詩をもっと使っていきたいね。

──最近のもんたの生活は、ひところからみると、かなりゆったりしてきたんじゃない?

ダンシング・オールナイト』が売れてたころのムチャクチャな状態にくらべたら、ずいぶん落ち着いたね。このアルバムのレコーディングのあいだなんか、月曜から土曜までがスタジオで、日曜日は休み。ほんま学校みたいに規則正しい生活やったわ。(笑) レコーディングかて、だいたい夕方の5時くらいにスタジオ入りして、夜中の1時くらいまでやろ。そやから昼間はわりと時間があったんや。おかげで、しっかり気分転換もできたわ。そうそう、スタジオにこもってたときは、パックマンというTVゲームにコっとってね。アツくなるんや、あれ。1日に2,000円くらい使うてしもうたよ。(笑)

──今年のこれからの計画は?

いろいろ考えてることはいっぱいあるんやけど、とにかくコンサートをきっちりやってくことが第一やね。それから、アルバムも今年中にもう1枚作りたい。今回とはガラッと感じのちがったものをね。

(明星 YOUNG SONG 1981年4月 今月のスペシャル3)

 

Wikipedia

もんたよしのり - Wikipedia

https://ja.wikipedia.org/wiki/もんたよしのり
もんた よしのり(1951年1月8日 - )は、兵庫県神戸市東灘区出身のヴォーカリスト・シンガーソングライター・俳優である。広島県福山市生まれ。本名:門田 頼命(かどた よしのり)。娘は元COLORの門田こむぎ。
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