近藤真彦ファーストアルバム「MATCHY ThanK 愛 You」（明星 YOUNG SONG 1981年4月今月のスペシャル1）

■レビュー紹介

近藤真彦ファーストアルバム「MATCHY ThanK 愛 You」

ファン待望のマッチのファースト・アルバムが、3月5日にリリースされる。バラエティ豊かな作品が散りばめられ、マッチの魅力にあふれるアルバムを、全曲集で届けよう！

A面 1.スニーカーぶる～す 2.ついてこいブギ 3.哀しきハイスクール 4.ほんもく・ラット 5.ストリート・レーサー 6.ジャストアダンス B面 1.ためいき倶楽部 2.サマーウェーブ 3.さよならスウィング 4.涙のナイフ 5.グロリア近藤真彦『Thank 愛 You』 http://plaza.rakuten.co.jp/46record/diary/201102250000/

ツッパってるくせに、淋しそうなマッチ！

デビュー曲『スニーカーぶる～す』が、発売第1週でヒット・チャートの1等賞を獲得。レコード界始まって以来という快挙を、みごとやってのけた近藤真彦のファースト・アルバムが、ついにこの3月5日にリリースされる。たのきんトリオ主演の映画『青春グラフィティ・スニーカーぶる～す』が、全国で記録的な動員数を見せ、このアルバムもトップを独走しそうだ。

ファンにとって嬉しいことには、『ジャスト・ア・ダンス』と『グロリア』の2曲を、マッチ自身が作詩しているのだ。『ジャスト…』は、夜ひとりで眠る前に自分の部屋で聴いていると、マッチがやさしく語りかけてくれるような感じの曲。そして『グロリア』は、ファン同士、肩を組んで、みんなで歌うのにピッタリだ。

そして、もうひとつの魅力は、このアルバムがバラエティに富んでいること。まず、マッチの尊敬する矢沢永吉を思わせる、ツッパリ風な『ためいき倶楽部』。イントロにオートバイの爆音を轟かせて、男らしいキャラクターを出している。『ストリート・レーサー』や『ホンモク・ラット』も、同じ狙いを持つものだ。かと思えば、『哀しきハイスクール』のように、ガラリと変わって、好きな女の子に気持ちを打ち明けると「クスクスと笑い声、それが君の心の答だね」と、哀しそうにうなだれているマッチがいる。

近藤真彦のプロデューサーである小杉理宇造氏は「彼を見てると、ニューヨークのイメージがある。すごいエネルギッシュなところと、その反面、かげりや男の孤独感を感じるんだ」と言う。その両方の良さを、うまく引き出しているのが『涙のナイフ』だろう。ワイルドな面と、離ればなれになった男同士の友情を感じさせて、歌を聴いているだけで、彼の表情が目に浮かんでくる。シングル・カットにしてほしいほどの作品だ。ツッパっているくせに、ふっと淋しそうな表情を見せるマッチ。そんなやさしさを感じさせるアルバムが出来た。

〔RVC RHL 8016 ￥2,700〕

（明星 YOUNG SONG 1981年4月今月のスペシャル1）

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